はじめに 重量による在庫管理について
「個数計による在庫管理」「重量IoTによる在庫管理」主に2種類の方法があります。
事業を営む上で、在庫を適正に保つことはコスト管理の面からも重要であることは説明するまでもありません。
本コラムでは重量による二つの在庫管理の方法について比較解説します。
1.重量管理は液体や粉体物、数えるのが大変な小さな部品管理に適している。
製造業やサービス業などの在庫を管理する上で、在庫状態をすべて正しく把握するのは重要な課題です。
在庫としてストックする製品はバーコードなどで管理できる物とは限りませんし、
製造業などでは多種類の小さい部品を大量に保管しているケースや、
ハーネス・電線等、また、液体・粉体など、数えられないもしくは数えるのが大変なものを保管しているケースもあります。
そういった製品在庫を重量計を使って簡単に管理する事ができます。
例えば重量計に1gの製品を100個乗せれば100gになるので、1個当たりの重さを登録しておくことで重量計が100gを示せば100個あることが判ります。
粉体や液体も予め中身の総量が判っていれば、使った分の重さで在庫状況が判るということになります。
重量による在庫管理には以下の方法があります。
① IoT重量計タイプ(在庫データ自動取得型)
重量計IoTが製品重量を取得して、管理サーバーに重量データを送信し、ソフトウェア上で個数を算出・管理するタイプ。
② 個数計ピッキングタイプ(出荷・出庫時データ取得型)
個数計(重量から個数を算出する)が直接、在庫管理システムにつながっているタイプ。
以下、この二つの管理システムについて解説します。
2.コスト・正確性において、「個数計ピッキングタイプ」が優れている。
IoT重量計タイプとは、在庫管理したい製品ごとにIoT重量計で管理する手法です。
製品ごとに用意したIoT重量計から管理サーバーに送信された計測結果で在庫管理する仕組みです。
各製品に割り当てられたIoT重量計ごとに、製品1個当たりの重量を登録する事で個数管理できます。
お気づきだと思いますが、製品ごとにIoT重量計が必要になる為、製品の種類が多くなればなるほどコストが上がってしまいます。
また、出荷時におけるピッキングミスには対応していないので、
大量の個数が必要な製品のピッキングや、形状が似ている製品のピッキングでは、ヒューマンエラーが付きまといます。
IoT重量計は各々バッテリーが必要となる為(電池で電力供給の場合)、メンテナンスも必須となります。
もう一つバッテリー関連の問題として、リアルタイム在庫確認用のデータ設定にすると消費電力が多くかかり、電力コストが増大します。
※IoT重量計によるリアルタイム在庫の実現は、電力コストの面で現実的ではないことも多く、
在庫状況管理データの更新を一定間隔をあけて実施せざるを得ないことになり、在庫のリアルタイム性が失われます。
情報精度をあまり気にせず少ない種類をざっくりと重量で管理したい場合に限れば、IoT重量計が適していると言えるかもしれません。
3.「個数計ピッキングタイプ」の優位点とメリット。
個数計ピッキングタイプは事前に1個当たりの製品重量を登録しておけば、
出荷対象製品を重量計に乗せるだけで、指示された数量を正確に間違えることなくピッキングする事ができます。
(使用する個数計の製品スペックによっては無制限で管理製品の重さを登録可能)
個数計によるピッキング実績を在庫システムに連動させることにより、正確な在庫情報がリアルタイムに更新されます。
また、製品ごとの個数計は不要なので、低コストでの運用が可能となります。
4.管理精度が低い割にコストが高く、作業工数がかかる重量計IoTタイプ。
IoTだと、「なんでも機器が在庫管理をやってくれる」「メンテナンスフリー」と思いがちですが、人がかかわる作業はIoTでも個数計でも変わりません。
「個数計ピッキングタイプ」の在庫管理では製品の入庫・出庫時に実績を取得しシステム側に反映させます。
入庫・出庫にあたって人が作業する内容(=製品を指定の数量分入れる・出す)は、IoT重量計であっても同じで、違いはありません。
これらを踏まえて考えてみると、その場で数える手段が人である限り、
IoT重量計に比べ個数計の方がはるかに作業工数も少なく済んで楽な上に、ピッキング内容もおのずと正確になります。
大量の出荷指示でピッキングする時は特に威力を発揮します。
個数計ピッキングタイプで使用する秤は精度の高い専用製品を使っているので、IoTタイプと比較すると秤精度が大きく異なります。
※注意していただきたいのが、「同じもの」でも、その一つ一つの重さは意外に均一ではなくバラついていることが多いということです。
いくら細かく量る能力の高い秤を使用した個数計でも、バラつきの影響を完全に消すことはできませんが、
精度の低いIoT重量計タイプに比べた場合、専用の個数計の方が高い精度で個数を管理する事ができます。(液体や粉体も同様)
※例えば、単位質量「1g」と思っていたものが、実は「1.27g」や「1.13g」ということはありがちです。
1.27gがもし1000個になりますと1270gで270個も違いがでてしまうことになります。(A&D様HPより)

さいごに
【個数計による在庫管理の方が信頼度の高い優れた管理方法】
重量による在庫管理について説明してきましたが、個数計で得られた情報を活用する事で様々なメリットを得る事ができます。
・正確なピッキングでリアルタイム在庫管理が実現
・早くて正確な個数確認ができる
・信頼できる正しい在庫管理
更に、取得した正しいデータから
・出荷製品の分析
・予定在庫を下回った時に自動発注させる仕組み
に発展させることも可能となります。